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法の風景 列島の光と影

司法書士 斎藤幸光 著

2008年08月23日発行 A5判・208頁

ISBN:9784896284805

価格 : 税込1,760 円(税抜:1,600 円)

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この国の法の現場を見よ―法律家・司法書士の目がこの国の姿、人々の真実、将来をとらえる!

本書の特色と狙い

原野商法の二次被害に遭う人たち、自ら命を絶つ人々と遺された人たちの苦悩と悲哀、不条理な扱いと闘うため法廷に立つ人たち、多重債務という落とし穴に落ちた人たち、戦争、占領を経て独立後もなお残る財産の混乱と人々の苦しみ、貿易立国日本のライフラインを担う商船にかける人たち、日本が送りだしたブラジル移民の子孫と日本、足尾銅山に今なお残る被害の現実、阪神・淡路大震災の惨状とその中での人々の心の分かち合い、そして法の風景の片隅に生きる子どもたち  著者自身がそのあり様を心に刻んだ、人々の営みと法が織りなすこの国の現場から、著者渾身のルポルタージュ!
本書「まえがき」より
 本書はノンフィクションであり、ドキュメントであり、ルポルタージュである。虚構はない。実際に扱った事件の当事者や取材対象に関するプライバシーへの配慮から、事案に若干の改変を加え、また匿名にした部分を除けば、すべて私が体験した事実および取材して知りえた事実に基づいている。私は司法書士であり、文中で司法書士に言及することが多い。私は本書を司法書士に読んでほしいと思っている。また、司法書士になろうとする人や法を学ぼうとする人にも読んでほしい思っている。しかし、それ以上に、自分の生活と法とのかかわりについて意識しなかった人々にこそ、読んでほしいと願っている。私が本書で書こうとしたのは、理屈や現象としての法ではなく、日本の社会とそこで暮らす人々が、過去・現在を通じて経験し続けている「葛藤」と法とが織り成している現実の有り様だからである。法は、人間社会の葛藤を解決するための指針と手段を提供する。しかし、生身の人間がいだく情念まで解決することはできない。われわれが住む列島では、政治や法律、経済のように個々の人間を捨象した抽象的な社会の論理と、個別・具体的な日常の生を生きる人々の情念が、日々、絡みあい、相克している。そうした現実の相貌と、そこで懸命に生きている人々の姿とが、本書によって読者に伝われば、私にとって望外の幸せである。 2008年8月 斎藤幸光
 

本書の主要内容

1章 釧路・原野商法を行く
2章 法廷・権利のための闘争=N氏の訴訟
3章 生命の現場・自死に向き合う
4章 人間の居場所・多重債務の実相
5章 戦争と占領・沖縄本島中部(基地編)
6章 戦争と占領・沖縄本島南部(地霊編)
7章 島国日本の交通路・日本商船隊の現在
8章 日伯移民とその子孫・SAUDADE(サウダージ)
9章 足尾旧松木村・収奪の山河
10章 神戸・震災の列島で
11章 法の風景の片隅で・子どもたちによろしく
エピローグ「街・一九三八」