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「第2回津谷裕貴・消費者法学術実践賞」

の受賞者決定について

 
平成27年12月15日更新


 第2回津谷裕貴・消費者法学術実践賞につきまして、選考委員会における厳正な審査の結果、受賞者を次のとおり決定いたしました。なお、本賞の贈呈式およびシンポジウム「特定商取引法・消費者契約法改正と不招請勧誘規制」は、2016年3月22日(火)に行われました。詳しくは→コチラ  第1回の詳細は→コチラ

 

■学術賞(1名)

〔受賞者〕角田美穂子(一橋大学教授)
〔対象〕『適合性原則と私法理論の交錯』(2014年、商事法務)
〔理由〕本書は、アメリカ法で発展した投資家保護のための金融監督ルールである「適合性原則」について、ドイツ法を参考にしながら、個人の権利救済を実現するための民事ルールとして構築する可能性を検討した意欲的著作である。ドイツ法では、説明・助言義務をベースに形成された「投資家・投資対象適合的な助言義務」という民事ルールが、監督ルールと協働する形で重要な役割を果たしてきたうえに、金融危機後には、金融システム改革において廃止された「先物取引能力制度」の経験を踏まえて、禁止規範としての適合性原則(狭義の適合性原則)に対応した民事ルールが再評価されていることが紹介され、さらに、消費者取引における民事ルールとしての適合性原則の可能性が検討される。金融取引・投資家保護に関する研究としてのみならず、消費者契約法や民法における一般理論を豊富化することにつながる貴重な研究である。

 

 

■実践賞(1団体)

〔受賞者〕一般社団法人 消費者法ニュース発行会議
〔理由〕「消費者法ニュース」は、クレサラ問題や投資取引被害の救済に取り組む関西地域の弁護士等を中心に、1989年から発行が始まった。以来、消費者法ニュ−ス発行会議が、あらゆる消費者問題について現場からの情報を収集し、発行を積み重ね、全国の弁護士、司法書士、消費生活相談員、研究者、行政職員、消費者団体へと情報交流の輪を広げてきた。個別被害救済から未然防止、そして判例紹介から消費者関連法の改正運動へと、今日の日本の消費者法の対象領域を広げ、実務と理論の担い手を形成してきた媒体であると言ってよい。毎年1回発行する消費者法白書は、問題分野ごとの消費者法の到達点と課題の最前線を示している。また。毎年、東京と大阪で開催している「消費者問題リレー報告会」は、最先端の消費者運動の交流の場となっている。「消費者法ニュース」の発行は、2014年には100号の節目を迎え、さらなる情報交流の充実と担い手の拡大を目指している。




 

《津谷裕貴・消費者法学術実践賞選考委員会》
  松本 恒雄(独立行政法人国民生活センター理事長) ※委員長
  後藤 巻則(早稲田大学教授)
  千葉恵美子(大阪大学教授)
  池本 誠司(弁護士)
  石戸谷 豊(弁護士)
  近江 直人(弁護士)
  齋藤 雅弘(弁護士)
  島  幸明(弁護士)
  野々山 宏(弁護士)
  平澤 慎一(弁護士)
  山 省吾(弁護士)
  吉岡 和弘(弁護士)